アピオスは、「サルが食べない野菜」として佐井村での栽培が始まりました。

下北半島は、世界最北の野生霊長類・ニホンザルの生息地として、天然記念物に指定されています。その一方で、深刻な獣害に悩まされてきました。
20世紀には、サルの数は非常に少なく、積極的な保護の対象だったニホンザル。しかし、地球環境の変化と保護施策により、大幅に増加しました。単純に計算すると、佐井村では、2030年代にサルの頭数が人口を上回るペースで推移しています。

電気柵

サルと農業

現在、獣害に悩む下北地域では、さまざまな対策が行われています。その一つが「電気柵」。電流が流れる柵を設置してサルの侵入を防ぎます。非常に効果的ですが、維持管理や作業性の面では、農作業における無駄なコストであることは否めません。

サルが食べない野菜

アピオスの栽培は、ニホンザルの獣害対策として始まりました。
青森県の農業指導員が、イノシシなどがアピオスを食べないという情報に注目し、脇野沢にある野猿公苑でサルに与えたところ、食べませんでした。これをきっかけに、サルが食べない野菜として栽培が推奨されるようになりました。
食べない理由は諸説ありますが、生だと消化できない、アクが強いなどが考えられています。イタズラで少しかじることはありますが、深刻な被害は今のところありません。